長居植物園植物図鑑

ねじれる植物

植物の茎や枝が、らせん状にねじれることがあります。特につる性の植物などでは、きれいなコイル状の構造が見られます。これらのねじれ構造が右巻きになるか左巻きになるかは、ほとんどの場合、遺伝的に決まっています。
フジの仲間を例に挙げますと、日本に産するマメ科フジ属の仲間は大きく2種あり、それはフジ(ノダフジ)とヤマフジです。
つるは、フジでは右巻きに、ヤマフジでは左巻きになります。これは、周囲の環境などに左右されることなく、常に同じ方向につるを巻きます。
では、そもそもどうして、「つる」という構造ができるのでしょうか。これは細胞の成長が大きく関わっています。つる性にならない普通の植物では、細胞は縦方向に均一に成長し、最終的には長方形のような細胞が縦に並びます。
しかし、つる性植物においては、縦方向からややズレて細胞が成長することが知られており、成長した細胞は歪んだ形になります。このような細胞が連なることで、らせん状の外観をした植物体が形成されます。
つる性植物の他にも、らせん構造をもつ植物がいます。園芸用に栽培されるラセンイやコウテングワ(別名ウンリュウグワ)がその好例です。
ラセンイは畳表の原料となるイグサの園芸品種であり、コウテングワは蚕の食草となるクワの園芸品種です。ともに本来はまっすぐに成長するはずの茎や枝がねじれるように成長する突然変異が生じたものです。
植物体がねじれるという特徴は、利用や栽培においては障害となり、本来の用途での栽培はされなくなりますが、見た目の面白さから一部観賞用に栽培されています。
また、枝垂れ性の植物は、栽培する中でねじれたような構造になることがあります。シダレエンジュや古木のシダレザクラに見られ、伸長した枝を剪定するとき、伸びた枝を少し残して切るので、数年間栽培を続けると枝が段々になり、全体では「ねじれた」ようになります。

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ノダフジ
ノダフジ