長居植物園植物図鑑

万葉の植物

万葉集に編纂された短歌には、植物を詠ったものが多くあります。万葉集の全4516首のうち、植物が含まれるものは3分の1にあたる1500首あまりです。
このような植物を万葉植物と呼び、その数は160種類ほどとされています。万葉植物の中で、もっとも多くの短歌に登場した植物はハギで141首、次いで多いのはウメの118首、さらにマツの79首、タチバナの68首、サクラの50首と続きます。
現代の感覚からすると、ハギやウメといった植物がサクラよりも多く登場することにはやや違和感を覚えるかもしれません。
ハギがもっとも多く登場する要因として、秋に歌会が多く設けられたことやハギの花期が他の秋の花に比べて長いことなどが考えられます。
万葉集には、山上憶良が詠んだ「萩の花 尾花 葛花 瞿麦の花 姫部志 また藤袴 朝貌の花(万葉集・巻八 1538)」という秋の七草の基になった歌があり、この歌でもハギが先頭に来ていることから、秋を代表する花として認識されていたことがわかります。また、ウメについてですが、ウメは中国から渡来した植物であり、日本の自生種ではありません。
当時の貴族たちは、自身の庭にウメが植えられるとこれを鑑賞するために人を呼んだり、歌会を開いたりしたそうです。
一方、草本では、アシがもっとも多くて50首、スゲが49首、ススキ(オバナなども含む)が47首と上位を占めます。花の美しいものでは、ナデシコがもっとも多く26首、次いでオミナエシが14首、ユリが10首、カキツバタが7首と続きます。
草本に関しては、鑑賞性よりも実用性に重きが置かれていたことが伺えます。

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ヒガンバナ
ヒガンバナ
ニシキハギ
ニシキハギ
シラハギ
シラハギ

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